ノリックに別れのエンジン音、3000人号泣
大変、大変残念な出来事だ。
2輪レーサーである、ノリックこと阿部典史選手が7日に交通事故で亡くなった。
とても、とても悲しい話である。
まさか、まさかあれだけのライダーが一般道の事故で急逝するとは、夢にも思わなんだ。
ノリックの活躍は、私も同世代に限りなく近いのでリアルタイムで知っている。
何たって、長髪をなびかせてスーパーバイクをねじ伏せて豪快に走る様は、私の平忠彦選手をはじめとする「GPライダーはストイック」なイメージを完全にぶち壊してくれて、とても痛快だった。
ある意味、ノリックの活躍から日本における二輪レースの認知度が再び高まり、後に続く優秀な世界的ライダーが出てくるエポックメーキングな存在だったと思うんだが。
二輪においてはどっちかというとホンダ・オンリーな私に、ヤマハへの興味を持たせてくれたレーサーでもある(仕事でも趣味でもいまだにヤマハとの縁は無いが)。
二輪最強のチャンピオンであるロッシ選手が憧れたノリックは、今年から日本国内のレースに復帰してチャンピオン争いを展開、新たなるファン層を開拓してくれるものと思っていた。
そんな矢先の、無念の死は、とてもやりきれない。
このニュースを仕事仲間にしたら、「バイクもスピード出していたんじゃない?」という見当違いな返答が。
仲間ながらも馬鹿だなぁ~と思わずにはいられなかった。
ノリックがオートバイ乗車に関して啓発活動をしていたことを知っていれば、絶対にこんなコメントはないんだけど、やっぱりオートバイは今でも偏見があるのだろうか…。
かつて90ccバイクで仕事をしていた私としても、プロ・ライダーがそういう安全啓発活動をしていることに、とても頼もしく感じていた。
そんな矢先の、無念の死は、とてもやりきれない。
ノリックのこれからの活躍が楽しみだったのに、それはもはや夢でしかないのが悲しい。
しかし、ノリックの走りを見てロッシが出てきたように、きっと日本から後に続く若者が出てくるに違いない。
そういう選手たちにも、サーキットでの活躍とともに市井のライダーへの啓発活動も遺志を継いで行ってほしいと願わずにはいられません。
そして私は、ノリックの御冥福をただただ祈り、「ありがとう!」の言葉を手向けるのみです。