福井では今日までの上映期間でしたが、私は昨年暮れに
上洛する直前に観に行ってました。
ドキュメンタリー映画『アイルトン・セナ 〜音速の彼方へ(原題『Senna』)』、10代後半から20代前半の私自身と重ねてしまいました。
では、私がセナのファンだったのかというと、さに非ず。
大半の時期が、アンチ・セナでした。
もうね、マクラーレンというプロフェッショナルなチームと、第2期ホンダF1のエンジンと、アイルトン・セナというパッケージがほとんど無敵であるが故に、「勝って当たり前」が大っ嫌いな私としてはアンチになるのが自然でした。
私がF1を見出したのは、1986年から。
フジテレビが全戦中継を開始する1年前、「
4強」と称されたアラン・プロスト、ネルソン・ピケ、ナイジェル・マンセルとともに終盤までタイトル争いをしていた素晴らしい年です。
テレビ中継はしていないけど、レース雑誌で貪るようにF1記事を読んでいて、
John Player Specialの黒いロータス・ルノーを駆るセナの写真は恰好良かったです。
CAMELの黄色いロータス・ホンダではチームメイトに中嶋悟がなって、おおっ!と思ったものです。
ただ、
Marlboroの赤いマクラーレン・ホンダとセナはあまりにも強すぎて、アンチな時期が長くなってしまったものです。
純粋に、セナというレーシングドライバーは偉大だと痛感したのは、やはりベスト・シーズンのひとつである'93のマクラーレン・フォードの1年でした。
史上唯一、ドニントンパークのヨーロッパGPをテレビ中継を見れたことは、私は今でも幸運な記憶です。
そして、
Rothmansの青いウィリアムズ・ルノーに乗った最期のレース・'94サンマリノGPをテレビ中継で見たことも忘れられない記憶です…。
この映画、セナをリアルタイムで知っている私のような世代にとっては、見ている時間が進むにつれて胸が痛くなってくるのではないのでしょうか。
どのような最期を迎えるのかを知っているだけに、死へのカウントダウンを刻一刻と見ている気分が悲しい。
生き急いだとか、太く短くとか、そんな人生にするつもりは無かったんでしょうね…セナは。
良くできた、セナのドキュメンタリー映画ですが、、、個人的な欲を言えば'86スペインGPの映像と'92モナコGPのもっと詳しいストーリーと、'94サンマリノGPで走行中プロストに無線で呼びかけるシーンが必要だったと思う。
最高のマシーンに乗れば勝てるレーシングドライバーは、今でもたくさんいるでしょう。
最高ではないマシーンでも乗れば勝てるレーシングドライバーは、今後は出てくるのでしょうか?
ここ数年、F1の中継はモナコGPとベルギーGPと鈴鹿サーキットで開催された日本GPしか見なくなった私の意図が分かる方がいてくれたら、嬉しいです。
F1において、アイルトン・セナとそのライバルの「
4強」の時代が、いまでも愛おしく感じてしまうし、それを改めて思い知った映画観賞となりました。。。